はじめに

・機能的脳神経外科とは? 従来の脳神経外科は脳腫瘍、脳卒中頭部外傷などに対し出血の原因となったり脳を圧迫するので手術で処置をします。それに対し機能的脳神経外科は、神経細胞、神経繊維、脊髄、末梢神経、などの神経組織に対して直接刺激、手術を行います。そして、痛み、不随意運動、てんかんなどのQOL (Quality of Life)=生活の質向上を目指す分野です。

・定位脳手術 頭蓋骨を大きく開頭することなく小孔から細い電極を脳の一定の目標に向けて挿入し、周囲の神経組織に侵襲を加えることなく、目的の部位だけ選択的に刺激、破壊するもの。痛み、不随意運動、てんかん治療、腫瘍の診断まで広く用いられている。

・疼痛とは? ずきずきいたむこと。

・ 難治性疼痛とは? 原因が分かっていても現時点では治療法がない疼痛、原因不明の慢性痛、そのほか治療に抵抗性を示す疼痛すべてをさします。

・痙縮とは? 神経には興奮を抑制するはたらきがあります。その部分が壊れ、体の緊張が強くなることをいいます。反射が進んだり、筋肉のけいれん、ひきつけ、発作(スパスム)が生じることもあります。

・中枢神経系 脳や脊髄のこと

・cancer pain 癌性疼痛

・phantom limb pain 幻肢痛。慢性疼痛の一種。痛みの発生源である四肢がないのに、痛みを感ずるもの。

・deafferented pain

・drosal root entry zone.(脊髄後根侵入帯) 

・痙性斜頚 頭が片方にまがってしまう病気。頚椎の神経に障害をおこし、腕の障害をともなうこともある。

・神経遮断術

・バクロフェン髄腔内注入法 脊髄損傷や脳血管障害、頭部外傷、脳性麻痺など痙縮がある患者に対して、腹部の皮下に植込み型薬物ポンプを植え込み、長期にわたって脊髄へ選択的にバクロフェンを作用させる。そして、痙縮をやわらげる治療法。

海馬 大脳辺縁系の古皮質に属する部位で断面の形がタツノオトシゴに似る。本能、情動にかかわる。

扁桃体

・鉤

・迷走神経刺激 延髄からでて、内臓に分布し、声帯、心臓、胃、腸、消化腺の運動、分泌を支配するのが、迷走神経。副交感神経の代表的な神経です。左頸部にある迷走神経を心臓ペースメーカーに似た装置を用い電気刺激します。そうすることによって、てんかん発作を抑制します。

・てんかんとは? 脳の神経細胞が異常に興奮するのがてんかんです。興奮する場所によって、手足が動いたり全身がけいれんして意識を失ったりします。脳波を測ると、通常は突発的な強い電気活動を示す波が検出されます。初めての発作は多くの場合、小さなお子さんに起こります。

・遮断てんかん外科 てんかんの手術には切除術と遮断術があります。切除術はてんかんの病巣を切除することによって、発作の抑制を図ります。これに対して、遮断術はてんかんの元となる組織を残して、てんかん波の流れを遮断し、てんかんを抑制します。

・lesional epiepsy 病変があるてんかん 

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