社会福祉の世界はなぜ私物化されやすく、
ボス支配が強いのか
(2006年 4/21)

創風社 編集長 千田顕史

 知的障害者の全国組織である「全日本手をつなぐ育成会」の職員より、2通の文書をもらいました。創風社の出版物とも直接関係していますので、ここに紹介します。なお、この育成会に参加しているのは『しょうちゃんの日記』の家族で、本の中で活動も紹介されています。

文書1 《不当な解雇通告について》

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文書2 《全日本手をつなぐ育成会職員一同の声明文》

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1 創風社では高野範城『人間らしく生きる権利の保障』を2002年に出版し、憲法25条と障害者基本法、憲法27条と労働権、をくわしく説明し、社会権という共通の土台の上にあることを分析しています。育成会の藤原理事長、松友労務理事は、障害者の権利を主張して、労働者の権利をふみにじることをしているわけですが、これではまともな障害者の権利の主張はできないように思います。2人にこの本を読んでほしいと思いました。

2 コロニー印刷の代金のことです。創風社で仕事をしている印刷会社の人にこの表をみてもらいましたら、コロニー印刷の見積もりは印刷業界の常識では考えられない、特別の理由、つまり障害者を安く働かせている以外に考えられないという感想でした。育成会の藤原理事長、松友常務理事は外に向かっては障害者差別反対をいいながら、会の仕事は障害者差別の料金を利用している、育成会が本当に障害者のための組織なら、4の中央出版印刷の毎月319万の支払いをすべきと思います。

 社会福祉の分野、障害者の分野はこういうことがたくさんあります。この分野の人たちは、問題をオープンにし、社会の注視のもとで活動をすべきです。ボス支配は国民の善意をふみにじるものになってしまいます。育成会の職員の人たちのがんばりに期待したい。