編集長見習い日記 その5

「子どもカレンダー」について 

 子どもカレンダー2004の編集、製作をする季節になってきました。このカレンダーは、主に、美術教育をしてきた保育園が手売りをしていくという形で販売をしています。一部大型書店や、HP上でも販売する予定です。年に3回〜4回、行われる研究会では、美術教育者、保育者、親たちが参加し、子どもの絵を見ながら、子どもの成長や、子育ての悩みなどを話し合っています。そんな中で、各保育園、アトリエ.etc.の自信作をもちよって、編集した作品が、子どもカレンダーとなります。創風社では、このカレンダーを19年つくりつづけています。

アリサカレンダーの絵の例

子どもカレンダーの絵の例

私は1999年の研究会から、参加し始めています。7〜8年前から絵の研究会の方向性をかえていますが、以前の絵は、物語を読み聞かせたり、遊びにいった経験を想像力をいかしたり、型にとらわれない子どもらしい表現を大切に、自由に絵を描く、そのような事を目的としていました。しかし、千田の話によると、実際は、「きれいな絵」「上手な絵」をめざし、大人がやや働きかけすぎたと思われる美術教育だということです。(アリサカレンダーの絵)創風社では過去に、齋藤公子保育実践集や、アリサカレンダーなどを出して来ているので、千田の話を参考にしながら、自分で確認をしていこうと思いました。そして、今やっている絵の実践は、北川民次、久保貞次郎らにまなびながら、美術教育の原点に帰る方向で進めて来ました。きれいでなくても、「下手な絵」でも、子どもの内発性、自立性, そして、ありのままの心の表現が出ている絵を尊重することを目指す絵の研究会にきりかえてきました。(子どもカレンダーの絵)年を追うにつれて、少しづつ、子どもの絵に勢いが増し始めているように思います。特に、自立性、内発性を育てるという視点は、あたえられたことを忠実にこなしていくような学校教育に疑問がなげかけられている今、重要なポイントだと自分では思います。
 ところで、この児童美術教育研究会をするときは、同時に、保育研究会や、障害児保育研究会もおこなうことがしばしばあります。このカレンダーを売っていくということはこれらの研究会に対して、周囲に理解を広げていくということでもあります。障害児保育に関しては、私たちは、様々な失敗や成功の経験、勉強の蓄積のある保育園は私はまだこの研究会の他に確認していません。そして、本を買ったり、メールをくれたり、会社や保育園をたずねたり、私たちの見識を必要とする人が多くいることを実感します。そして、この保育実践の元々の流れは、斎藤公子先生等の行ってきた、健常児と障害児をともに育てるという統合保育に力を入れてきた保育実践にあります。始めた当時はどこにも受入先がなかった、てんかんや脳性麻痺の子などの障害児を積極的に受け入れ始めた保育園が、自分たちの保育活動の理解と支援を求める意味でもつくりはじめたこの子どもカレンダーを、今後も大切にしていきたいと思います。そんなことを考えながら編集作業にとりかかっています。

2003年 9月22日 高橋 亮

                        9月27日 一部修正

編集長から一言………山住正己(元都立大総長)は著書の中で、「戦後の日本の民主教育は創美(北川民次や久保貞次郎)から始まった」とかいています。ソビエト教育学を信じる人たちによって、創美は否定されていきますが、ソビエトが崩壊して10年をこえた今、どう創美の思想を発展させるかが重要と思います。