新刊案内2012年3月29日発売

山崎準二(東洋大学)著

教師の発達と力量形成
――続 教師のライフコース研究――

A5判上製466頁 3800円

発売中

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 本書は、筆者がこれまでに取り組んできた「ライフコースに基づく教師の発達と力量形成に関する継続調査jの研究報告である。本書で直接の分析データとして使用しているのは、1984年8月に第1回目を実施しそれ以後5年間隔で継続的に5回にわたって実施してきた年齢・性・キャリアの異なる現職教師集団に対する質問紙調査結果と、さらにそれらの対象者の中から抽出した教師たちに対して1994年前後に最初のインタビュー調査を実施し、およそ10年の間隔を空けた2004年に再度実施したインタビュー調査結果である。これらの質問紙及ぴインタビュー調査結果の研究報告は、第1-3回の質問紙調査結果と最初のインタビュー調査結果をもとに、2002年3月に『教師のライフコース研究』(創風社)として公刊した。そこでは、5年間隔で卒業年度の異なる7-9つのコーホート(集団)のコーホート毎の特徴の相違や3回の質問紙調査10年間の変化の相違、各コーホート毎2-3名の教師のライフコースにおける多様な発達と力量形成の姿を明らかにした。同時に、教師としての発達や力量形成の姿を捉える際の理論的モデルや「教師のライフコース研究」というものの研究方法論上の理論的分析枠組みなども合わせて提起しておいた。20年間にわたる5回の継続的な質問紙調査結果と2回の追跡的インタビュー調査結果を、統計的量的分析と事例的質的分析により、今回総まとめ的に特徴を描くとともに、子どもとその保護者の生活実態や意識の変化が激しく進行してきて学校と教師たちに新たな対応課題は突きつけられてきたといわれる最近10年間の特徴も描いている。

序論部
 序章 研究の課題と経緯
 第一章 調査の実施概要

本論I部 統計的量的分析
 第二章 教職の形成
 被教育体験/養成教育体験/新任期
 第三章 教職の遂行
  ライフコース上の転機/発達と力量形成を支え促す要因
 第四章 教職の危機家庭生活の実態/学校生活の実態(子どもとの関係、同僚関係)
 第五章 教職意識の構造
  教職観/教職イメージ/教師教育観

本論II部 事例的質的分析
 第六章〈再生と揺藍〉期の教師たち
 第七草〈紛争と変動〉期の教師たち
 第六章〈管理と停滞〉期の教師たち
 第九章〈混迷と模索〉期の教師たち(その1:若い教師たちの新任期)
 第十章〈混迷と模索〉期の教師たち(その2:先輩教師たちの「その後の10年」)

結論部
 第十一章 教師の発達と力量形成
  研究のまとめと養成教育・現職研修改革の課題

資料

以上

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