(2018年1月25日更新 2月2日発売)

富田 満夫(医学博士)著

チェーホフ

――教育との関わり――

A5判並製 180頁 本体1600円 ISBN978-4-88352-243-9

発売中

PDFチラシ

 チェーホフはゴーリキーに「教師は熱烈に自分の仕事に惚れこんでいる芸術家であらねばなりません」と語っている.また「教育はすぐれた芸術である」,すなわち教師と生徒とによる感動的な創造の事業であるという――.芸術家はそのすぐれた皮膚感覚で未来を感知することも事実であろう.同時に彼の晩年の作品『三人姉妹』『桜の園』『いいなずけ』などには第1次ロシア革命を前にした緊迫した情勢のためか,未来への明るい展望を語る場面が多く見られる.チェーホフは研ぎすまされた彼の感性で,教育にかかわることで子どもたちに未来へのメッセージを託したのではないだろうか.前著同様に巨大な善意をもつチェーホフと彼の作品への理解に少しでも役立つならば,筆者としても望外の喜びとするところである――.(本書「はじめに」より)

(主要目次) 
第1章 ロシアの身分制 第1節 ピョートル大帝時代 第2節 エカテリーナ_世時代 第3節 大改革時代とその後 第4節 各階層と身分制 第2章 19世紀後半における身分制と教育 第1節 大改革期以前 第2節 「大改革」期の身分と教育 第3節 反動期の身分と教育 第4節 その他の教育と施設 第3章 チェーホフが受けた教育第1節 家庭環境 第2節 少年時代 第3節 モスクワ大学医学部 第4節 新しい医学への挑戦 第5節 勤労への意欲 第6節 自由への希求 第7節 公正と虚偽への抵抗 第8節 進歩と未来への展望 第4章 チェーホフと教育 第1節 子ども好きのチェーホフ 第2節 サハリンの子ども 第3節 学校建設 第4節 教育支援 第5節 教師への支援 第6節 図書館への寄贈 第7節 兄弟への忠告 第8節 教科書のチェーホフ 第5章 チェーホフの作品と教育 第1節 子どもの情景 第2節 自然とのかかわり 第3節 父の暴力 第4節 忍耐と努力 第5節 虚偽に対する抗議 第6節 教育について 第7節 教師の実態 第9節 生への渇望 第10節 進歩と未来について補 遺:チェーホフと宮沢賢治

◎冨田満夫の関連著書
『医師チェーホフ――その活動と作品における医療
 A5判並製 240頁 本体2000円 ISBN978-4-88352-204-0  2013年

 

本の検索既刊案内:医学障害者医療のページTop