新刊案内2008年 12月22発売

James S. Olson , Susan Wladaver-Morgan 著
監訳:土屋慶之助(静岡大学)、小林健一(東京経済大学)、須藤功(明治大学)

  (DICTIONARY OF UNITED STATES ECONOMIC HISTORY)
アメリカ経済経営史事典

A5版558頁 8pt2段組 9000円

発売中 

 1929年のはじめ、著名な民主党の政治家で金融に精通したバーナード・バルーク(Bernard Baruch)があるジャーナリストに、金融に関するニュースが新聞の第一面に躍り出たときは国民が苦悩する時代が到来したときだと語った。その発言の直後に株価が大暴落し、バルークの懸念は現実のものとなった。今日では、金融に関するニュースは新聞の第一面や、主だったテレビやラジオのニュース番組に、連日ように登場している。アメリカ人が株価、貯蓄貸付組合スキャンダル、銀行の経営破綻、貿易不均衡、政府の財政赤字、インフレーション、国際金融危機、失業、貧困、都市の窮状、ジャンク・ボンド、さらには税金に関する情報を浴びせかけられずに過ごせる日はほとんどない。ニュースの伝達技術は急激に伸び続けているにもかかわらず、アメリカ人の経済生活の最大の関心事は少しも新しいものではない。アメリカの歴史のまさにその最初から、アメリカ人は経済的機会や経済的資産の取得、そしてこれらの問題を取り巻く政治的・社会的諸問題に取りつかれてきたのである。

 そこで私はこの『アメリカ経済史事典』で、アメリカの過去の経済的な諸問題や事件に関する基本的な情報を探し出そうする学生や学者、また図書館員のために手軽な参照手段を提供しようと努めた。本書は百科事典というよりはむしろ辞典である。一巻本とするために、経済や政治経済の特定分野の歴史的発展について、長く網羅的な小論を提供することはしなかった。その代わりに、この一巻本の参照手段はアメリカ経済史に属する1,300以上の項目――著名な男性・女性実業家、労働組合指導者、知識人、政府高官、法律、企業、労働組合、経済的概念、選挙、利害集団、および歴史的事件――について、基本的な情報を提供している。また、この事典にはアメリカ経済史に関する参考文献が収録されている。(「序文」より)

訳者――折原卓美(名城大学)・小林健一・三瓶弘喜(熊本大学)・須藤功・土屋慶之助・松本幸男(静岡産業大学)・柳生智子(慶應義塾大学)(50音順)

著者――ジェームス・オルソン(James S. Olson)の略歴
1969年ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校で博士号を取得し、1972年からテキサス州のサム・ヒューストン州立大学歴史学部で教鞭をとり、現在は同教授。Saving
Capitalism: The Reconstruction Finance Corporation and the New Deal,
1933-1940, Princeton University Press, 1988; Bathsheba's Breast:
Women, Cancer, and History
, Johns Hopkins University Press,
2002など多数の著作がある。

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