| 新刊案内
有江大介(横浜国立大学)著 社会科学とは何か A判上製 220頁 定価 1800円 |
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私はこの教科書を、読者の皆さんに社会科学とはどういうものかを知ってもらうこと目的に書きました。もう少し別の言い方をすると、この本は“社会科学 [social science] とはどういう学問か?”について書いたものです。当たり前のように聞こえますが、それには理由があります。我が国の今までの入門書、特に経済学をベースにし、しかも現代の新古典派経済学に批判的な立場からの入門書は概して、社会とは何か、人間とは何かを問うことに囚われるあまり、読者に対していわば個々人の「社会観」を問う、あるいは「生き方」を詰問することを求めがちであったと思うからです。それに対してこの本は、私たちが日々生活している社会を科学(サイエンス)の眼で見るという姿勢を重視しています。それは、今までの本が、あるいは今までのこの分野の先達が必ずしも科学(サイエンス)とは何かについて自覚的に考えていたとは思えないからです。
そうした欠陥を是正して、読者の皆さんが冷静に、自分たちの生活している社会のあり方を考えることができるための知的な枠組みを、この本は提供しようとしています。学問分野でいうと、“学問についての学問”をすることになると思います。したがって、少しばかり高級で幅広い知識が求められます。そのために、この本にはサイエンスとは何かという学問の方法についてのセクションと、経済学に代表させてまとめた社会科学の歴史についてのセクションとの両方があります。なぜ、方法ばかりでなく歴史までがあるかというと、自然科学と違って、人文科学や社会科学の言説は時代や地域が異なっても、対象に対する説明力を相当程度もち続けられるからです。物理学や天文学を専攻している学生なら、かりにニュートン力学を知らずに最新の理論のみを学んでも最先端の研究に従事する学者になることができると思います。しかし、人文・社会科学ではプラトンやアリストテレス、孔子や仏陀を知らずしてまともな学者にはなれないのです。 <目次>
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