2026/7/22更新 8月6日発売 

富 田 満 夫

子どもたちとチェーホフ

ISBN978-4-88352-287-3 C0037 本文246 頁 46 版並製 本体1500 円

発売中

 チェーホフは子どもたちが好きでした。そして子どもたちに慕われていました。
 彼の初期の作品には子どもたちがしばしば登場します。
 無邪気な子どもたち,大人の世界を垣間見た子どもたち,過酷な労働に苦しむ子どもたち,いずれも深い彼の洞察力を伺わせる興味ある作品です。
 子どもの心情や心理,表情や仕草が生きいきと描かれているのに,私は驚嘆するのです。
 一方で,チェーホフは「わたしの子ども時代には,子ども時代がなかった」と,苛酷な環境のもとで育ったことを述べています。このような経験が描かせるのでしょうか。・・・・・・・・・
 かつて,文学にまったく素人の私は周辺からチェーホフに接近しようとしました。
 その過程で彼のすぐれた医師としての活動,教育に寄せる彼の献身的なはたらき,音楽に関わるすぐれた資質と聴く耳(皮膚感覚)の鋭さが,差別や環境破壊批判などに及んでいることを知り,彼への敬愛の念を深めました。
 日本にあまり知られていない,彼のすぐれた側面をメモとして残そうとしたのです。(「はじめに」より)。
目 次
はじめに   
  第1章 当時のロシアの子どもたち  
  1 子どもをめぐる社会情勢    
  2 教育をめぐる情勢
   (1)初等教育  
   (2)中等教育  
   (3)教師の状態  
  3 教育および関連領域の発展  
  4 ロシアの作家と子どもたち  
  補遺 チェーホフと精神医学  
 第2章チェーホフの子ども時代  
  1 家庭環境  
  2 友人関係  
  3 図書館と劇場  
  4 自己啓発  
  5 自然とのかかわり  
  6 自由への希求  
  7 不公正・虚偽への抵抗  
 第3章チェーホフと子どもたち  
 第4章 作品のなかの子どもたち  
  1 作品の特徴  
  2 時代区分  
  3 作品から  
   (1)家族の不在  
   (2)社会とのかかわり  
   (3)自然とのかかわり  
   (4)勤労について  
   (5)未来への期待  
  補遺1 チェーホフと児童文学  
  補遺2 教科書のチェーホフ  
  補遺3 チェーホフと動物  
  補遺4 検問  
 第5章子どものための社会活動  
  1 サハリンの子どもたち   
  2 学校の建設  
  3 監督官チェーホフ  
  4 飢える子どもたち   
  5 療養所の建設  
  6 その他の社会活動 

富田満夫関連書

『医師チェーホフ』 『チェーホフ――教育との関わり