編集長見習い日記27

マスコミ研究と小熊秀雄の思想について 

 創風社では、『マスコミの総合理論』の著者、稲葉三千男氏が5点ドレフュス事件に関する出版物を出してきたこともあって、18日夜に『ゾラの生涯』(DVD名作映画シリーズ)を鑑賞しました。
ドレフュス事件の後半、つまりゾラが裁判にかけられるところからは稲葉先生が本として書き残された部分で、感動的な内容でした。あとに続く研究者にぜひ後半を書いてほしいと思いました。全体として、内容を本とは違った角度からより深く理解できた作品でした。そして、稲葉先生の過去のマスコミ研究、ドレフュス研究から、マスコミ労働者としてどんなことを継承していったらよいのか再確認をするきっかけとなりました。1月19日に発行された、小熊秀雄作
『コドモ新聞社』のあとがきで千田が次のように書いています。

 「創風社は創立以来、東京大学新聞研究所の稲葉三千男のマスコミ研究、ジャーナリズム研究に関する出版物を数多く刊行してきた。なかでも精力的に出版してきたのは、フランスのドレフュス事件における新聞の役割、そしてエミール・ゾラの活躍を追求するものである。その中心テーマは「真理は前進する」「抵抗のジャーナリズム」と表現でき、ジャーナリストは国民大衆の立場に立ち、たとえ社会全体の流れとちがっても真理の立場にたって報道すべきことを、エミール・ゾラの活躍を通して明らかにしてきた」

 そのような視点も参考にして、ジャーナリストとしての実力をつけていきたいと思っています。

 また、現在小熊秀雄作『火打箱』の出版検討、写真撮影を開始し
つつあります。この作品のベースはアンデルセンの童話ですが、名作童話の復刻漫画の発行の主旨は、芳賀たかし著『野豚物語』の広告に参考になる内容を載せてあります。
 そして、昨日 メールで小熊の思想について質問をいただいた、Mさんの御主人から小熊秀雄の「転向」の根拠となると思われる論文をいただきました。私の見解の大筋は2/15日の日記
「小熊秀雄の思想について」に書いてあることと変りませんので、関心がある方は目を通してください。そして、レポート「小熊秀雄とつね子さんの風景」もいただきました。だだいま精読させていただきました。ありがとうございました。ちなみに、その中に小熊の長男、焔さんが出てきますが、生前、私の祖母と出会っています。
 そんなことを思いおこしました。


06年2月21日