池田昌昭

物質と意識


46判上製 280P 本体1900円 

 唯物論は、古くなった、唯物論は「時代遅れだ」との議論がある。
 本書では、この唯物論にたいする批判1それはたぶん「唯物論よ、もっと時代にあったものになるように」との願いが込められているのかも知れないが−にたいして、否。唯物論は決して生命力を失っていないのだ、唯物論はこれからも真実を明らかにしていく、ということを主張するために著すものである。

目  次

まえがき
第一章 ヘーゲル著『大論理学』における物質と意識
 一 認識の素材
 二 学の始元
 三 弁証法
 四 物自体
 五 聯関の関係
 六 実在性と観念性または、客観と主観
 七 同一律・矛盾律・排中律
 八 現象と法則
 九 概念について
 十 客観性と理念
 十一 反映と創造
第二章 ヘーゲル著『小論理学』 における物質と意識
 一 思考と対象
 二 思惟と事物
 三 意識発生の物質的基盤
 四 生物弁証法
 五 意識の発生源
 六 意識と人生
第三章 物質と意識
 一 物質と意識の定義
 二 意識は物質の運動形態
 三 感覚、意識、思考
 四 創造性
 五 物質の一義性と意識の二義性
 六 反映
 七 改めて『唯物論と経験批判論』を読む
 八 「こころは脳のプロセス」諭
 九 心脳相互作用説
 十 唯物論の到達点
第四章 認識論の原点
 一 認識論の根本問題 − 中村行秀氏の場合
 二 情念について
 三 認識と意識
第五章 真理反映論と真理合意論
 一 島崎隆氏の真理反映説と真理合意説
 二 反映論と合意論との悪しき統一
 三 弁証法的唯物論と対話的弁証法
 四 弁証法の本質
 五 意識の発達
 六 反映について
 七 島崎隆氏の誤ったレーニン哲学理解
 八 対話的弁証法
 九 対立物の矛盾と統一
第六章 反映否定論者一
 一 瀬戸明氏の二つの「ドグマ」
 二 「存在即知覚論」の誤り
 三 自作自演
 四 未知なるもの
 五 客観的実在の否定
 六 知覚の疎外態
 七 色なしリンゴ
 八 冷蔵庫のなかのリンゴ
 九 物の第一性質と第二性質
第七草 言語の哲学
 一 「思想の直接的現実性」としての言語−河野勝彦氏の場合
 二 言語の「生得性」
 三 ポパーの知識論
 四 世界一〜三

参考文献

既刊案内 哲学本の検索、 Top