佐久間 孝正(立教大学) 著

ウェーバーと比較社会学

46判 369P 本体4500円   

 本書は、前著『ウェーバーとマルクス 一 方法・人間・社会・歴史 − 』(世界書院、一九八四年)の続編としての性格を持っている。前稿は「はじめに」にも書いたように、ウェーバーとマルクスの関係を原理的に押さえることを主題としていた。それゆえ、法や政治、宗教、文化、さらにはその後の社会主義の展開等に問題をひろげて論じることはしなかった。これを取り扱ったのが本書である。
 目次
 はじめに
 凡例
第一部 ウェーバーとマルクス主義
第一章 ウェーバーとカウツキー
 ――ロシア革命論とダーウィニズム的歴史観をめぐって――
 はじめに
 一 カウツキーのロシア革命論批判
 二 レーニンとカウツキーの分岐点としてのパリ・コミューン評価
 三 カウツキーの歴史観
 四 ウェーバー、カウツキー対レーニン

第二章 ウェーバーとレーニン
 ――組織論・政党論・議会論をめぐって――
 はじめに
 一 レーニンの変革理論
 二 レーニンと直接民主制
 三 特殊な革命としてのソビエト
 四 ウェーバーとレーニン

第三章 マルクス、エンゲルスとダーウィン
 ――ダーウィン『書簡』をめぐる問題――
 はじめに
 一 『書簡』をめぐるミステリーの背景
 二 『書簡』の「解釈」をめぐる論争
 三 マルクス、エンゲルスのダーウィン観
 四 ダーウィンからエーベリングヘの『書簡』
 五 一八七三年の「手紙」の真偽

第二部 ウェーバーと物象化論
 はじめに
第一章 『法社会学』と物象化論
 はじめに
 一 法の合理化と物象化
 二 法の物象化と東西文化比較
 三 ウェーバー物象化論の小括

第二章 『支配の社会学』と物象化論
 はじめに
 一 カリスマ的支配と物象化論
 二 伝統的支配と物象化論
 三 合法的支配と物象化論

第三章 『都市の類型学』と物象化論
 はじめに
 一 西欧都市の氏族の解体と物象化
 二 西欧都市の合理化・物象化と民主主義の陥穽

第四章 『宗教社会学』と物象化論
 ――「プロ倫を中心に」――
 はじめに
 一 予定説と非人格化・物象化
 二 近代資本主義の合理性と物象性

第三部 ウェーバー比較文化論と「近代」の超克
 第一章 比較文化のための方法論
 第二章 東西文化圏の合理と非合理
 第三章 政治による近代の超克――人格的支配の政治的再現――
 第四章 大統領制論の宗教社会学的神秘性――マルクス人格化論と物象化論との対比――
 あとがき
 索引

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