内田 司 著
理性,感情,諸個人の自律
――ホープ氏の道徳知の理論

46判 上製 89P 本体800円 

 佐久間孝正編著『現代の社会学史』のテキストを使い、アダム・スミス以降の社会科学の諸理論を講ずる中で、特に、近年、学生の間から、近代・現代社会の理論を学んだ上で、では、これらの理論によって、現代日本社会の現状はどのように分析することが可能になるのか、また、それらの理論は、自分たちの生き方の問題にどのように答えることができるのかということについても講義の中で論じてほしいとの要望がだされるようになってきた。本書は、そうした学生たちの要望に答えるささやかな試みとして書かれたもので、上記のテキストのサブテキスト的性格をもったものである。

目次
序 問題の所在

第一章 高村泰雄氏の「科学的世界観の形成と自己意識の確立」に関する議論
 高村氏の世紀末論
 環境教育の課題
 科学的認識過程(科学的世界観の形成過程)論
 自己意識の形成論

第二章 マクマレー氏の「理性と感情」の理論
 理性的であるとは
 プライベートライフとパーソナルライフ
 知の形態論
 感情生活における誠実性とは?

第三章 ホープ氏の道徳知の理論
 アダム・スミスの適宜的行為の理論
 道徳的なものとは
 スミスの適宜的行為理論を越えて
 よさとは何か
 知の形態論
 懐疑主義批判
 結語 メディアとしての徳と愛

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