前島 康男(東京電機大学)著

増補・い じ め――その本質と克服の道すじ

46判上製 240頁 本体1500円 

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目  次

I いじめの実態と問題点
 一 いじめとはなにか  
  1 さまざまないじめのイメージ 
  2 いじめとは 
 二 大河内清輝君のいじめ自殺事件を考える 
  1 事件の概要と論点 
  2 マスコミ等の論調の特徴 
  3 一つの重要な指摘
     ――清輝君はなぜ死ぬまで「よい子」でいたのか
 三 いじめの現代的特徴と問題 
  1 いじめの現代的特徴 
  2 いじめはなぜ問題か 
II いじめ問題の歴史と背景
 一 いじめ問題の社会的背景
  1 日本の企業社会化
  2 教育家族の登場
  3 子どもの地域生活の変貌
  4 学校の変化
 二 社会・学校病理現象の拡大
  1 社会における病理現象
  2 学校の病理現象
 三 現代的ないじめはいつから始まったのか
III いじめ問題の原因と本質――現代の思春期葛藤といじめ問題
 一 子どもたちの思春期葛藤のあり方とその現代的ゆがみ
  1 いじめ問題の本質を理解するヒント――思春期葛藤の問題
  2 思春期葛藤とは
  3 思春期葛藤の現代的なあり方
 二 現代の思春期葛藤といじめ問題
  1 生活崩壊家庭の子どものいじめ
  2 教育家族の子どものいじめ
  3 いじめの本質といくつかの論点
 三 いじめをめぐる心理的ないくつかの問題
  1 いじめの三つの理由
  2 なぜムカツクのか
  3 なぜいじめて面白がるのか
IV いじめ問題克服の課題
   ――子どもの内面に共感的他者を育てる
  一 いじめ問題発生のメカニズムの整理
    ――いじめ問題の核心は何か
   1 いじめ問題発生のメカニズム
     ――権威=競争秩序の確立
   2 権威=競争的人格の確立
   3 支配的・脅迫的他者と自己肯定感の問題
  二 いじめ問題克服の基本的方向
     ――こどもの内面に共感的他者を育てる
   1 共感的他者とは
   2 共感的他者を育てるための課題
  三 いじめ問題克服の教育実践
    ――こどもの内面に共感的他者を育てるために
   1 学校・教師といじめ
   2 受容と対話の教師像
     ――新しい教師の指導のあり方を求めて
  四 いじめ克服の教育実践に学ぶ
   1 「親子で考えたいじめ問題」(前島英男)
   2 「信頼しあえる集団づくりを」(田畑可奈恵)
  五 いじめ問題克服の社会的文脈
   1 企業社会の転換
   2 家庭・地域の問題
   3 教育行政・政策をどうかえるか
V いじめ問題の克服を妨げるいくつかの考えかたの批判     
  一 いじめをめぐる「常識」的な考え
  二 いじめをめぐる非科学的な論
  三 いじめられる子も悪い論
  四 いじめ解決は自らの力にたよるしかないという考え
VI いじめ問題の捉え方
  一 現代いじめ論の全体像――その到達点と課題
   1 いじめ概念をめぐって
   2 いじめの原因をめぐって
   3 いじめ問題の構造的な把握をめぐって
   4 いじめ問題の比較研究
   5 いじめ問題の克服の展望をめぐって
  二 現代のいじめとはなにか
    ――現代のいじめ概念・定義をめぐって
     1 大まかな概念図
     2 さまざまないじめの定義・概念
    三 いじめの原因をめぐって
     1 いじめの心理・人格論
     2 いじめの社会理論
    四 いじめ問題の克服の道すじ
     1 いじめ問題克服の基本的方向
      ――こどもの内面に共感的他者を育てる
     2 共感的他者とは
     3 共感的他者を育てるための課題

    資料1 大河内清輝君の残した遺書 
    引用・参考文献一覧 
    あとがき 
    増補版あとがき

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