木島 始(1991年法政大学教授を退く。詩人,児童文学者)著

ともかく道づれ

46判上製 194頁 本体 1300円 (発売中) 

 

 この『ともかく道づれ』は,1988年に青土社から出した本と同じ題名になっていますが,構成は,かなり変っています。「かくれ竜のはなし」と「シャボンだまのひと」(「シャボンだま」を改題)と「虫のいどころはどこかな?」(「虫のいどころ」を改題)の三つが,すでにむかしの本から『飛ぶ声をおぼえる』(創風社刊)のなかへ飛びでていってますし,「なわばり越えて」など四つが,収められてはいません。その代わりに,出入り自由な中継ぎのところ,いや,一休みのところに,新しく四行詩をならべている点で,全くさまがわりをしています。
 「ほんまやろか」は,最初『子ども館』誌に発表されたときは「石のはなし」という題名でした。前の本を青土社から出すときに,改題したのでした。これをアーサー・ビナード氏が英訳し,"Pulling My Leg" という題(「ぼくをからかって」という意味)で,ハワイ大学から出ている文芸誌 'M杵oa'(日本文学特集号)に2001年に掲載されました。するとその英訳しか読まない日本人さえ現れたので,ちょっと題名の移りかわりを書いておくことにしました。
 「おなかの太鼓」は打楽器,「ボルタの歌」は弦楽器,「あほぶえさがし」は管楽器というかたちで,「三つの楽器のはなし」として『子ども館』誌にまとめて発表された作品です。この三部作を読みかえしながら,実在しなくとも可能かもしれない空想の楽器を,じつはだれしもがそれぞれ鳴らそうとしているのではないか,と思ったものでした。(本書「あとがき」より)


      目 次

ほんまやろか 
夢か?  
ゆれるがままに 
 四行詩・道草あれこれ 1      

おなかのたいこ       
ボルタの歌      
あほぶえさがし  
 四行詩・道草あれこれ 2       

赤の暗さ明るさ  
天ng まぎれこみ  
ニホンザル・スキトオリメ
 四行詩・道草あれこれ 3      

ともかく道づれ 
 四行詩・道草あれこれ 4

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