既刊案内2006年6月21日発売

清田 匡(大阪市立大学)編著

中小企業金融をどう理解するか

A5判並製292頁 2800円

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中小企業金融は、複雑である。この複雑さの前に、中小企業の研究者も、金融の研究者者も立ち止まっているといえば言いすぎだろうか。しかし、金融機関の人間でさえも、国や地方自治体や、それらの関連機関、そして民間の競争相手を含めた中小企業向け金融商品・サービスの全容を把握していることは少ないのでなかろうか。なによりも、中小企業自身が、この複雑さの前で、たちすくんでいるように思われる。中小企業金融の、この複雑さの背景には、一方では、おそらく中小企業自身の多様性が、存在する。そして、他方では、金融サービス自身の抽象性や、わかりづらさが存在している。しかし、わかりづらさ、複雑さの原因を追究しても、もし、その複雑さ、わかりづらさを解消することができなければ、あまり意味が無いと思われる。このわかりにくさを解消する道を探りたい。本書は、このようなモチーフで編集した。(「はじめに」より)

第一部 中小企業金融をどう理解するか
    ――国,民間,研究者の視点から―――
    (シンポジウム記録)
 1 協同組織金融機関の役割(濱田康行)
 2 国の中小企業政策における金融支援の
   位置づけ・役割 (吉田正一)
 3 池田銀行の融資における基本的な考え方と“地域
   起こし制度”について(青木良治)
 4 討論
第二部 中小企業金融について
 第1章 地域金融機関の理念について(清田)
  ――「地域を繋ぐ者」としての金融と「中小企業の養成者」としての金融
  1 はじめに
  2 「金融強者」と「金融弱者」――中小企業金融アンケートより――
  3 「地域を繋ぐ者」としての地域金融機関
  4 「中小企業の養成者」としての地域金融機関
  5 むすび―「金融弱者」から「金融強者」へ
 第2章 中小企業と金融問題(本多)
     ――なぜ中小企業の資金繰りは厳しいのか?――  
  1 はじめに  
  2 中小企業の資金調達
   
1)資金調達手段  
   
2)資金調達構造  
  3 間接金融依存型構造の問題点
   
1)情報の非対称性・規模の経済  
   
2)担保問題  
   
3)中小企業の財務構造  
   
4)小括  
  4 公的金融と地域金融機関
   
1)政府系金融機関・信用保証協会・地域金融機関の概要  
   
2)公的金融と地域金融機関の再編  
  5 むすび――中小企業金融の課題
   
1)中小企業の課題 
   
2)金融機関・政策の課題  
第3章 中小企業金融と中小企業財務(田中)
  1 はじめに
  2 80年代の金融自由化以降の金融環境変化が中小企業に与えた影響
  3 中小企業金融の課題
  4 21世紀に求められる中小企業金融の役割
第三部:付録
  1 変革を志す方のための施策ガイド
   
・ 主として人材の育成・開発等を応援する施策・制度・相談窓口
   
・ 主としてマーケティング・戦略的連携等を応援する施策・制度 
   ・ 主として資金課題の解決に資する施策・制度
   ・ 経営に関する情報収集に役立つ施策・制度・機関  
  2 中小企業金融アンケート最終報告


付録:アンケート票

 

講演者・執筆者紹介(記載順)

濱田康行 北海道大学経済学部教授
青木良治 (株)池田銀行、企業コンサルティンググループ部長
吉田正一 経済産業省 近畿経済産業局 総務企画部長
清田 匡 大阪市立大学経営学研究科教授 
本多哲夫 大阪市立大学経営学研究科助教授
田中宏昌 大阪府立産業開発研究所、研究員

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