吉田紘(宇都宮大学)・今野裕昭(専修大学)著
戦後日本の経済社会
――変動と課題――
A5判上製  226頁 本体 2000円(発売中)  

 本書は、戦後日本の変動過程が生み出した問題群を、社会学と経済学の立場から確認しようとするものである。戦後,市民社会の未形成のなかで,社会は工業化から脱産業社会へと進展し,生活様式も変容した。その結果,家族,地域などにおいて,共同性の崩壊が進み・「公」と「私」の分断化が進んでいった。ここから、新たな「共」の創出・階層間の連帯が課題として提示される。戦後日本の経済システムも,市民社会の未形成のもと,集団主義的価値観をもつ人々の組織形成の結果として把握することができる。そのことが,日本の経済システムに対して,全体としては政府主導型,労使関係においては資本優位型という性格を与えている。日本の経済システムの本当の姿を明らかにすることからその課題がみえてくる。

〈目次〉

はじめに 日本の経済社会と「市民社会」

《第1部》
第1章 社会をどう捉えるか
 1 個人から見た社会
 2 現代社会の特質
第2章 戦後日本社会の変動
 1 産業構造の転換と生活様式の変容
 2 現代家族生活の変容
 3 地域社会の変容
 4 職場社会の変容
第3章 現代社会の課題

《第2部》
第1章 戦後の日本経済
 1 戦後復興期
 2 高度経済成長期
 3 低成長期
 4 平成不況
第2章 日本の経済システム
 1 問題の背景
 2 政府と産業界
 3 企業間システム
 4 老師システム
 5 日本の経済システムと価値意識
―市民社会の問題との関連で

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