編集長見習い日記18

『アメリカ知識人論』、
「続・現代の課題」などについて
 

 私は現在『アメリカ知識人論』に目を通している最中です。完成まで残り1論文になりました。先生が初めてこの原稿を持って来社したのが99年でしたので、もう5年以上原稿の完成を待っています。内容のテーマが大きいので自分なりに理解を深められるところから内容整理を進めているところです。創風社から出版している前著として『物象化と近代主体』があります。『技術者のための起業マニュアル』の平野氏に引き続き、早大の出身の研究者です。
 2001年に同時多発テロ事件発生以来、イラク戦争が勃発し、現在自衛隊もイラクのサマーワに派遣されています。私は
Webや出版で反戦活動にかかわってきました。
 ブッシュ政権の支持層に、新保守主義やキリスト教原理主義がありますが、それらの思想の形成経緯、また、フェミニズム、ナルシシズム、貧困、などの社会的課題に対する社会政策、経済政策、それらと思想活動と時代的、歴史的背景の関係をこの原稿で確認していきたい。そして、日本でも類似した、社会病理、社会的課題があります。それらの課題に対する社会政策や経済政策に参考になる内容を含んでいるのではないかと思い原稿に目を通している最中です。
 創風社のHPには
「私の意見」というコーナーがあります。その中に社長の千田が「続・現代の課題」とう意見を発表しています。永井氏は、故稲葉先生が東京国際大学時代に創風社に紹介した著者ですが、『アメリカ知識人論』の原稿と、この「続・現代の課題」を読む限り、永井氏、そして稲葉氏、日高氏と千田は共通してデューイやミードの思想を重視していることが分かります。そして、「自由主義」的民主主義と「社会主義」的民主主義の連帯を考えるスタンスであると私なりに理解をしています。また、社会主義思想の脱「教条」主義も課題としてとりあげています。私たちも、障害児運動に先進の医療がなかなか浸透しない経験もしてきています(参考―障害児医療) そして、「続・現代の課題」では、他に環境問題、南北問題を課題としてとりあげています。
 数年前から進行していてなかなか実現できない企画に、『労働価値論とは何であったか』、『労働と正義』の著者の有江氏の原稿があります。また、「私の意見」に
「“偽りの社会像”をこえて!」という随想を掲載しています。そして有江氏は『社会科学とはなにか『ジェレミー・ベンサムの経済思想』の原稿を執筆中です。
 カールマルクスが『資本論』のなかで、ベンサム批判をしてますが、ベンサムの学問研究はほとんど手がつけられていないと聞きます。ベンサムはイギリスの植民地政策の研究などもしてきているようです。
 有江氏は大学で東南アジアからの留学生と関わった仕事をしてきています。
 有江氏のベンサム研究に、東南アジアからの留学生との関わりが内容的につながるところがあるのではないかと思いつつ原稿を待っている最中です。

05年1月10日
05年1月11日(一部修正)